BAND-MAIDができるまで(妄想編)〜もう一つ別のBAND-MAID

さて、ここまでの妄想ストーリーを整理してみよう。

  1. ミクが「メイド服を着たバンド」を思いつく。この時点ではミクが単独ボーカルで、演奏するのは明るくポップな楽曲を想定している
  2. Kanamiが加入。ギターの腕前、作曲・編曲能力とも異常なまでにレベルが高いが、特にやりたい音楽があるわけではない。みんなで楽しく音楽が演奏できれば幸せ。メイド服?可愛くて良いんじゃないかしら。
  3. Akaneが加入。Kanamiの音楽の才能を信じており、彼女をサポートするのが目的。特にやりたい音楽があるわけではないが、Maximum the Hormoneが好きなのでハードめな曲は歓迎。メイド服?お仕事としてこなしますよ。
  4. Misaが加入。Akaneと一緒にやりたいというか、今さら他の人と組む気は無い。どんな曲が来ようが私は私で暴れさせてもらいますよ。メイド服?こういうのもありだよね?(真っ黒衣装)
  5. Saikiが加入。えっ、歌?まあ歌うのは好きだけどね。。。(バンドの演奏を聴いて)へえなんかいいじゃん。今まであんまり聞いたことなかったけど、こういうのカッコいいよね(ハードロック一式)。メイド服?(ビリビリ、ポイッ)

あれ、あんまり整理になってないな。ミク目線でやり直し。

  1. ミクが当初考えていたのは、「メイド服を着て、明るいポップな曲を演奏する可愛いバンド(自分がボーカル)」だった
  2. しかし、メンバーを集めてみたら、なんでこんなのが集まったんだろうというレベルの凄腕が揃ってしまった
  3. 普通にポップな曲では、メンバーの実力が発揮できない。メンバーを活かすためにテクニカルな演奏が映える HR/HM系の曲もやろう
  4. でも、HR/HM系の曲には自分の声は合わない。ハスキーな声で、ロッカーっぽいキャラのボーカルが必要

ここで、

  • ミクは同じ事務所のSaikiを知っており、彼女ならピッタリだと思ってバンドに引き入れた

というのが公式ストーリーに沿った解釈であるが、妄想ストーリーでは、

  • このメンバーだと、メイド服コンセプトを止めて、新ボーカルで本格派の新しいバンドにした方が自然だよね
  • でも、新ボーカルでコンセプトを変えてしまうと事務所がなんていうか。。。
  • ああ、でも今事務所にいる娘がボーカルならそのまま契約してくれるかも
  • なんか、この娘、ロッカーぽいし、歌うまいみたいだし、「特技:接客」ってあるから、メイド服コンセプトもOKかも! ちょっとメンバーと顔合わせしてもらおう。
  • 大正解! メイド服はさすがに気に入らないみたいだったけど、Saikiはバンドの音を気に入ってくれたし、バンドのメンバーも(特にKanamiが)Saikiのこと気に入ったみたいだし、これだけカッコいいんだから事務所も納得してくれるよ
  • メイド服のバンドはメンバー集めが厳しかったからもうお終いかな。。。私は私でまたアイドルで頑張って、もし曲をもらえるようになったら、Kanamiちゃんたちにバックで演奏してもらおうかな。。。

という具合に進むのであった。妄想なので、正しさより面白さの方(Saikiの「特技:接客」にフォーカスしたストーリー)を採っているわけだが、実は公式ストーリーに沿った解釈の場合、一つ疑問点が現れるのである。ハードな楽曲のためにSaikiを加入させたという割には、実際にSaikiのボーカルを最大限に活かしたハードな楽曲は「Thrill」まで丸1年間やっていないのである。

 

デビューアルバム「Maid In Japan」はiTunesでも配信されるようになったので、興味のある人には聴いて欲しいのだが、私が聴いた限りではJ-Popのカテゴリを超えるようなハードな曲はやっておらず、ボーカル=ミクだけでもイケたんじゃない?という感想しか浮かばない。デビューアルバムを聞いただけでは、わざわざSaikiを入れてツインボーカル体制を採った理由がわからないのである。

 

当時の曲のアコースティックバージョンの動画がある(限定公開です)。アコースティックバージョンなのでだいぶアレンジも変わっているが、雰囲気はわかると思う。

youtu.be

 

この動画を見て思ったのは、バンドはSaikiとミクのボーカルをなんとか融合させようとしているんじゃないかということである。そしてこの融合は結構いい感じに仕上がっている。

 

BAND-MAIDが「Thrill」と出会うまでの1年間は自分たちのスタイルを見つけるための模索期とされているが、Saikiを加入させた時点で、このバンドのスタイルの本命はHR/HMだったのではないかと考える。しかし、ある理由からSaikiをメインとしたハードな楽曲は1年間封印することになった。バンドを離れることを考えていたミクも、同じ理由から、ツインボーカルの一翼としてバンドに止まり、ハードな楽曲解禁後はサイドギター&バッキングボーカルとしてバンドを支えることになったのではないかと、妄想ストーリーの方は続くのであった。

 

そして、ハードな楽曲封印中の1年間は、本命の HR/HM路線とは別の、Saikiとミクのボーカルを両方活かした道も同時に探っていた。それが「Maid In Japan」での試みである。ちなみに、もしこの路線でバンドが売れていれば、このまま J-Pop側に進んで、ハードロック路線は解禁されることはなかったのではないかとも思っている。Kanamiが書いて二人が歌う J-Popな曲も聞きたかった気はするけどね。(妄想続く)