BAND-MAIDができるまで(妄想編)〜Rockな彩姫
Wikipedia によると、BAND-MAIDは小鳩ミクとSaikiのツインボーカルバンドである。Saikiがバンドに加わったのは「Saikiがハードな曲調に合う低い声の持ち主だったから」(参照:BAND-MAID® | 激ロック インタビュー)。つまり、ポップで明るい曲はミク主体、ハードなロック系の曲はSaiki主体と、ボーカルを2人揃えることで、バンドとしてより幅広く活動していくことを狙ったわけである。そして、「Thrill」のハード路線でブレイク後は、ハードな曲をメインに演奏することとなり、BAND-MAIDはSaiki=メインボーカル、ミク=バッキングボーカル&サイドギターという体制となった。
Saikiのハスキー&シャウト系のボーカルは、BAND-MAIDのHR/HM系の楽曲には不可欠なものであり、また、Saikiは、BAND-MAIDが楽曲を自作するようになってから、そのサウンドと歌詞の最終形を決めるポジションに収まっているらしい(参考:BAND-MAID「Just Bring It」インタビュー、【インタビュー】BAND-MAID、「強さの中の不安や弱さ」見せる意欲作『Just Bring It』完成 | BARKS)。Saikiは、BAND-MAIDのハードロック的な格好良さ(=センス)のかなりの部分を担当していると考えて良さそうである。
SaikiがBAND-MAIDに加入したのは、ミクがKanamiらと初ライブを行った約1ヶ月後のことである(参考:BAND-MAID - Wikipedia:略歴)。楽器隊の実力がとんでもないレベルにあることがわかって、これを活かすためにテクニックを見せられるHR/HM系の曲をやろうということになったのだろう。そして、HR/HM系の曲にミクの声はミスマッチなので、これに合うボーカルを探し、ピッタリなSaikiがたまたま同じ事務所にいたので加入してもらった。
Saikiのようなハードロックに特化した才能がたまたまミクと同じ事務所にいたというのが、ありえないというか、奇跡というか、Kanamiゲットに続くミクの異常なまでの「引きの強さ」を示しているのだが、Saikiに関してはもう少し面白いエピソードがある。
SaikiはBAND-MAID加入直前まで、演劇の舞台に出ていたのである(参考:ボーカリスト彩姫の誕生: 私設BAND-MAID研究所)。つまり、Saikiはシンガーとしてではなく、タレント(舞台の仕事をしていることから考えて、多分本格的な女優志望)として事務所に登録されていたのだ。で、当時のSaikiのプロフィールがこんな感じだったらしい。 (参考:ttp://web.archive.org/web/20141015102435/http://talent.platinumproduction.jp:80/atsumisaiki)
「特技:歌、接客」(^^; BAND-MAIDのボーカルをやるようになってから、ネタで追加した可能性もあるが、それだと「お給仕」と書かれるはずなので、これはBAND-MAIDに加入する前からこうだったのではないかと想像する。
ミクがSaikiに目を付けたのは、「Saikiの声に惚れ込んでいたから」というのが公式見解っぽい(参考:BAND-MAID「Brand New MAID」インタビュー (1/3))。しかし、実はミクはSaikiとは面識もなく、ミクが新しいボーカルを探して事務所のタレントのプロフィールを見ていたら、たまたま影のある容姿(ロッカーっぽいというかちょっと不良っぽいというか)で、歌がうまいらしく(特技=歌)、メイド服コンセプトもひょっとしたら受け入れてくれるかもしれない(特技=接客)人物を見つけて、これに飛びついたのではないか。などと妄想するのもまた楽しい。
しかし、そうだとすると、なぜ同じ事務所の(それもアーティストではなく)タレントからボーカルを探したのだろう? ハードロックを歌えるボーカルを探すなら、実際にライブハウスなどで歌えるシンガーをスカウトした方が間違いがないはずである。
実は、新しいボーカリストがミクと同じ事務所の人間でなければならないシナリオも妄想可能である。それは、実力派の楽器隊と新しいボーカルを本格的なバンドとしてデビューさせ、メイド服コンセプトのバンドは諦めるというものだ。つまり、ミクはバンドから降り、新ボーカルでHR/HMをメインに演奏する新バンドを結成する。しかし、その場合、事務所が新バンドと契約してくれるとは限らない。新しいバンドがちゃんとプロデビューを果たし、アルバムを発表するのを保証するには、新ボーカリストがミクと同じ事務所所属であるのが望ましかったのである。(妄想続く)
おまけ:2016 Comic Con in LondonでSaikiとミクのツインボーカルが比較的うまく撮れているfancam