BAND-MAIDができるまで(妄想編)〜不思議ちゃんKanami

「ギャップ萌え」を標榜するBAND-MAIDにおいて、私が最大のギャップを感じるのは、ステージ上のKanamiと普段のKanamiである。


BAND-MAIDの楽曲はメロディー&リズムパターンの基本部分をKanami が作り、細部を各楽器担当者が決める形で作り上げるようだ(参考:BAND-MAID、初メジャーフルアルバムに込めた熱き思い | ミーティア(MEETIA))。つまり、実質的に作曲Kanami、編曲BAND-MAIDであり、「Just Bring It」「World Domination」の2枚の傑作アルバムの大部分の楽曲とそのロックセンス溢れるギターリフはすべてKanami が生み出したものなのである。そして、あの何かが乗り移ったかのようなパフォーマンス。マジでどこかのロックスターが取り憑いたんじゃないかと思えるレベルなのだが、素はあの性格で、コスチュームはメイド服なのだった。

 

この才能の塊のようなKanamiが、何故、ほぼ音楽的に素人のミクの誘いに乗ってBAND-MAIDに加わったのか?そのあたりを、次のインタビュー(BAND-MAID「Brand New MAID」インタビュー (1/3) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー)をヒントに妄想全開で解読してみよう。

 

ここで Kanamiは、「私はもともとシンガーソングライターをやっていたんですけど、本当はバンドに入ってリードギターを弾きたかったんです。」と語っている。普通に考えれば、「えっ?だったら自分でバンド作ってギター弾けばいいじゃん」となる。それがどうやら Kanamiにはできなかったらしい。つまり、Kanamiは自分の口からバンドをやろうと言い出すことができず(あの性格なので)、誰かに「一緒にバンドやろうよ!」と言ってもらえるのをひたすら待っていたのである(注:妄想です)。

 

実際 Kanamiはネットに演奏動画をあげたり、シンガーソングライターのデモテープと言いつつサポートメンバーを呼んでバンド形式の編曲で録音したりしていたらしい(参考:BAND-MAID誕生秘話シナリオ説 《第4版》: 私設BAND-MAID研究所)が、これらは声をかけてくれそうなミュージシャンと接触を取るためのものだったのではないだろうか。演奏動画をあげるたびに「誰かこれを見て一緒にやろうと言ってくれないかな?」、デモテープ作りでサポートミュージシャンを招くたびに「この曲を気に入って、一緒にやろうと言ってくれないかな?」と思っていたわけである。

 

しかし、Kanamiのレベルがあまりにも凄すぎたので気軽に声をかけてくれる人はなかなか現れない。そして初めて「一緒にバンドをやりませんか?」と誘ってくれたのが、切羽詰まったミクだったのである。Kanamiにとって待ちに待った瞬間である。それに続く「実はバンドのコスチュームはメイド服で。。」なんてのはどうでも良くなるぐらいに嬉しかったに違いない。

 

そして、Kanamiがミクに会ってみると、他の楽器のメンバーはまだ決まっていない。そこで以前デモテープ作りかライブでサポートしてもらったドラムのAkaneに声をかけた。Kanamiの(この妄想上での)性格を考えれば、Akaneからは「次何かあったら呼んでね」ぐらいの言葉はもらっていたのではないだろうか。AkaneはAkaneでこの才能溢れる不思議な魅力のギタリストを気にかけていたのである。(妄想続く)