BAND-MAIDができるまで(妄想編)〜「まとも」な茜

BAND-MAIDトーク番組に出演した時のビデオがYouTubeに上がっている。

Akaneの人物像は(Saiki曰く)「まとも」。自己紹介でもトーク用のネタをきちんと盛り込むなど、期待されていることをちゃんと考えた上で、それをきちんとこなしている感じである。


Akaneがドラムを始めたきっかけは、Maximum The Hormone の女性ドラマー=ナヲの存在であったという。ナヲは男だらけのアンダーグラウンドなロックの世界で、最も男っぽいと言えるドラムという楽器を20年以上演奏し、結婚、出産後もライブ活動を続けている。彼女がAkaneの目標であり、尊敬の対象であることは間違いないだろう。

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しかし、ここで一つ疑問が湧く。ジェンダーフリーを絵に描いたような女性に影響を受けたAkaneが、ギミックとはいえ、メイド服コスプレを簡単に受け入れるものだろうか?

Akaneのドラムの技術は確かなものだし、ナヲのようなドラマーを尊敬するのなら、変なギミックを入れたバンドでメジャーデビューを目指すより、ナヲのように好きな音楽を売れる売れないに関係なく長くやり続ける、という方がありそうな気がするのである。Akaneは「まとも」な人なのだから。

 

Akaneは Kanamiの誘いに乗ってBAND-MAIDに加入している。ここはAkaneは Kanamiの誘いだったから、メイド服コスプレというギミックも受け入れたのだと妄想してみよう。


Kanamiの才能(特に作曲・編曲能力)に対する私の評価は極めて高い。なにせ、「DICE」の海外リアクション動画を見て、この曲を作ったのはどんな人物なのだろうと探し始めたのがBAND-MAIDにハマるきっかけだったのだ。そして調べるうちにわかったのだが(参考:BAND-MAID、最新アルバムを配信スタート&メンバー・インタヴュー掲載 - OTOTOY)、KanamiはHR/HM系の音楽が特に好きな訳ではないのである。このスタイルの曲を作っているのは、この手の曲が今のバンドに一番合っていて、メンバーもこの手の曲をやりたがっているからなのだ(参考:BAND-MAID | 激ロック インタビュー)。

 

要するに、Kanamiは「こういう音楽がやりたい」から作曲・編曲をするのではなく、「みんなで楽しく音楽を奏でたい」からみんなに合う曲・みんなが望む曲を作曲・編曲しているのである。これだけの才能を持っているのに、ここまで自己主張のない人というのも珍しい。

 

AkaneはKanamiと出会った時に、その才能と性格がわかったのだろう。そして、彼女が自分から動き出すことがあるようなら、自分も力になってあげようと思ったのではないだろうか。自分の音楽性や信条よりも、Kanamiという「放っておくと埋もれてしまうかもしれない」音楽の才能をサポートする。これがAkaneの「まともさ」が導いた結論だったのである。

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そして、Kanamiからバンド結成とドラマー打診のメールが来る。リズム隊のパートナーのベースがまだ決まっていないことがわかると、Akaneは最近サポート活動を一緒にするようになったMisaを誘って、参加することにした。

 

しかし、この時点で、バンドが芸能事務所所属で、メイド服を着てアイドルの延長的な売り出し方をされる可能性があるということを、Akaneは知らなかったと思う。知っていたら、自分はともかく Misaを誘うという選択はしなかっただろう。どう考えても断られるに決まってるからね。 (妄想続く)