Be OK

BAND-MAIDのアーティスト・ブックが出版されたので購入。

www.shinko-music.co.jp

メンバー一人一人へのインタビューが掲載されており、BAND-MAID結成のかなり詳しい部分も語られている。

以下、一部引用します。

小鳩

小鳩 地下アイドルは1年でやめさせてもらって、今の事務所に履歴書を送ったら ... 「バンドとかには興味ないの?」と言われたんですっぽ。... 「メイドとバンドを合わせたら面白いね」「じゃあ混ぜちゃいましょう」と(笑)

「バンド」は事務所発案、これを「メイド」に寄せたのは小鳩ということのようです。当時のプラチナムパスポートBAND-MAIDの事務所)は「PASSPO☆」「predia」のアイドルグループ、「Silent Siren」というモデル出身のガールズバンドが所属しています。たぶん「アイドルっぽいバンド」という構想がすでに事務所側に存在していて、そこにメイド経験者の小鳩がやってきて「メイドのバンド」として動き出した、というところでしょう。

KANAMI

KANAMI ギターをやりたいと思うようになったのは…何でだったかな。... 思い出しました! 女の子にモテたいと思ったんです(笑)

KANAMIはひょっとして女子高出身かな? いや、ここじゃなくて、

KANAMI 当時(=シンガーソングライター時代)はオーディションとかも結構受けていたんですけど、オーディションにはバンド形態で行くようにしていましたね。

KANAMI  その頃の私はとにかくプロになりたいし、売れたいと思っていたんです。

 学生時代から非常にプロ志向が強く、実際いろいろ動いていたようで、サポートを呼んでオーディションに行ったり、逆に他のバンドのギターサポートをやったり(AKANEインタビュー参照)していたようです。ギターの「弾いてみた」動画のアップもプロになるための活動の一環としてあり、それがうまく小鳩の目に止まった、ということのようです。

KANAMI 私はずっとリード・ギターをやりたいと思っていたわけだし、歌わなくても良い(笑)。それにコンセプトが面白いし、聴かせてもらった曲もカッコ良かった。そうなったらもう、断る理由なんてないですよね(笑)

シンガーソングライターをやってはいたものの、歌を歌うこと自体にこだわりはなく、メイド衣装も学祭の時に経験済みで抵抗はなく、すんなり加入が決まった。

AKANE

AKANE KANAMIとは ... 対バン相手として知り合いました。KANAMIはその対バン相手のサポートギタリストで、... 実はお互いの家がすごく近所だって分かったりして仲良くなったんです。

 で、KANAMIのデモのドラムを叩いたり、KANAMIの家で晩御飯をご馳走になったりしていたらしいのですが、KANAMIにBAND-MAIDの話が来たことで、AKANEにも誘いが来た。しかし、

AKANE 私、ガールズ・バンドは絶対にやりたくなかったんです。

Maximum the Hormone のナヲの影響を受けているためか、「ガールズ・バンド」という括りで見られるのには抵抗があったようです。それなのに何故引き受けたかと言えば、

AKANE KANAMIからBAND-MAIDの話をもらったのがちょうど横浜のレストランが閉店してしまうことになったタイミングで、これからどうしようかなと考えていたときでもあったんです。だから、「KANAMIがいるなら良いかな」って答えました。...(メイド服と聞いてかなり迷ったが)...「とりあえず曲を聴いてみて」と渡されたデモを聴いたら、それがめちゃくちゃカッコ良かったんです。

  • KANAMIとKANAMI家の晩御飯の存在
  • デモの曲がカッコ良かった

どうやらこの2点が大きかったようです。

MISA

MISA AKANEとは専門を卒業してからアーティストの現場を通して知り合って、プライベートでも2人で遊んだりしていたんです。

 MISAとAKANEは同じ音楽専門学校なので、在学中からの知り合いかと思ったらそうじゃなかったみたいですね。ひょっとして知り合ったのはこの現場だったりするんだろうか?

MISA 専門学校を卒業してしばらく経った頃に先輩とやっていたバンドが解散したんですけど、解散が決まったときにちょうどAKANEから電話が来たんですよ。... いや、その頃はまだAKANEさんって呼んでいた時期か(笑)

「AKANEさん」ってことは、MISAの方が年下で確定か(同い年の可能性もあると思っていた)。そして、この電話がBAND-MAIDへの誘いで、迷ったものの

MISA とにかくベースをやめたくなかったんです。それに、曲を聴かせてもらったら音楽的にしっかりしているロックでカッコ良かったんですよ。

最初、サラッと読んでいましたが、これはBAND-MAIDの誘いがなかったらベースをやめる(というか音楽自体をやめる)選択もあったということですかね。

彩姫

彩姫 私以外の4人がBAND-MAIDを結成して、1ヶ月くらい経ったときにボーカルを入れようとオーディションを始めたんですよ。当時のマネージャーとかメンバーが私のプロフィールを見て選んだみたいなんですけど... それで歌いに行ったんですけど、社長と作曲家の方とマネージャーはいるけど、メンバーはいなくて。

この辺は小鳩インタビューだと

小鳩 その時点で事務所が用意してくれた曲があったので、すぐにメンバーでリハーサルをしたりお給仕をやってみたんですけど、どうにもしっくり来なくて。それで“もう少し小鳩と対照的な声の子をボーカルとして迎えたら面白いんじゃないか”というアイディアが出てきたんですっぽ。小鳩自身も“ツイン・ボーカルにすればバンドがもっと映えるっぽ”と思ったので、そのとき事務所に所属している子ほぼ全員くらいに声を掛けてオーディションをしたんです。

さすがに事務所に所属している子ほぼ全員を実際にオーディションすることはないと思うので、「全員をオーディションの対象として考えた」ぐらいじゃないですかね。誰が4人時代のBAND-MAIDが「しっくり来ない」と言い出し、誰が「小鳩と対照的な声の子をボーカルとして迎えたら面白い」というアイディアを出し、誰がオーディションで彩姫を選んだのかが今ひとつ明確ではないんですが、たぶん以下かな。

  • 「しっくり来ない」=ほぼ全員
  • 「小鳩と対照的な新しいボーカル」=作曲家または楽器隊(小鳩も異論はなかったが、発案ではなさそう)
  • 「彩姫を選んだ」=作曲家および事務所スタッフ(メンバーも後で録音で聞いて意見を言っているかもしれない)

そして、加入後の最初のライブで

彩姫 私がBAND-MAIDに加入して初めてのお給仕がSHIBUYA-AXだったんです。それがすこく衝撃的で、お給仕が大好きになりました。

この時のビデオの一部が茜の twitter にありますが、バンド結成前からあった、カッコ良い曲というのもこの曲ですかね。

  1. 事務所が新しいバンドプロジェクトのために用意していた曲があった
  2. その曲を KANAMI、AKANE、MISAの楽器隊が気に入った(メイド服はどうでもいいと思えるぐらい)
  3. それが小鳩のボーカルではしっくり来なかったので、新しいボーカルを入れるという判断になった

とすると、BAND-MAID結成の最重要キーはその曲(たぶん Be OK)だったということになりそうです。

ちなみに、Be OK の歌詞はこちら

歌詞に出てくる「I'm gonna be OK.」は「大丈夫」「何とかなるよ」みたいな意味らしいです。